hiraoka group ロゴ
badge

About Hiraoka Group

 平岡研究室は2010年4月より東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 (相関基礎科学系D2グループ)に所属し,有機合成化学,錯体化学,超分子化学のフィールドで研究を行っています.

 平岡研究室が目指していることは,

多環芳香族分子に秘められた機能を開拓し,新しいナノ分子を開発すること」です.

 多置換芳香族の中でも我々の研究室ではヘキサフェニルベンゼン骨格に着目し,合成鍵中間体として有用な多様な置換ヘキサフェニルベンゼンの高効率的な合成手法の開発,さらなら有用有機分子への誘導化,また,ヘキサフェニルベンゼン骨格の持つ歯車状の構造特性を活かし,自己集合性金属錯体の構築や分子機械素子の開発,歯車状構造を両親媒性分子に組み込み分子の噛み合いにより自己組織化することで一義構造をもつナノカプセル"ナノキューブ"の開発,金属錯体型自己組織化体の形成メカニズム"自己組織化ダイナミクス"の研究を進めています

item8

多環芳香族分子の新規合成法の開発

 多芳香族分子の中でもベンゼンの全ての炭素にベンゼン環を連結したヘキサフェニルベンゼン(HPB)は歯車の様な構造をした分子です.HPBは液晶材料の母骨格やHPBを酸化することでグラフェンの断片であるヘキサベンゾコロネンへ化学変換できることから材料分野で注目されている化合物群の1つです.HPB誘導体を広く利用するためにはHPBに対して自在に官能基を導入した分子の合成が不可欠ですが,これまでHPBに交互に2種類の官能基を導入するための簡便な方法はありませんでした.我々の研究室では最近HPBから出発し,2段階で2種類の官能基A, Bを導入した分子へ誘導する変換法の開発に成功しました(特許出願).さらに,3種類の置換基を導入した化合物の合成法にも成功し,これまで合成が極めて困難であった化合物を大量,簡便,安価に合成することが可能になりました.また,HPBヘ選択的に官能基が導入されるメカニズムとしてHPB上に導入されたハロゲンとリチウムの間で可逆的に交換が起こる“ハロゲンダンス”が鍵を握っていることを明らかとし,HPBの各芳香環の間に広がるイプソ位共役が重要な役割を果たしているという学術的にも興味深い現象を見出しました.

多環芳香族分子の自己組織化:ナノキューブの形成

 多芳香族分子の材料科学への有用性の他に,我々の研究室では独自にHPBのもつ歯車状の分子構造に着目し,HPBから上記の新規合成手法を利用して,歯車状の両親媒性分子を開発しました.興味深いことにこの歯車状両親媒性分子は,ある溶媒中で集合化し,6つの分子が箱型に集まった2 nm程の分子のサイコロ”ナノキューブ”を形成することを見出しました.この集合体の形成は歯車状分子間の噛み合いによるもので,その駆動力はvan der Waals (vdW)力であることも明らかとなりました.一見,vdW力は弱い力のため,分子を集合化させる程の役割を果たすように思えないかもしれませんが,自然界ではタンパク質間,タンパク質−糖鎖間をはじめいろいろな場面でvdW力が巧みに利用され,機能の発現や調節を行っています.残念ながら,現在人工的にvdW力を自在に操り,物質開発や生命系と同じ様な分子を設計・合成した例はありません.我々の研究室では,このナノキューブの形成を利用し,これまで明確にされてこなかった複雑な三次元表面間に働くvdW力の定量評価を進めており,最近,半定量的な評価法としてSurface Analysis with Varying Probe Radius: SAVPR法の開発に成功しました.現在,これを発展させて分子の噛み合いの定量的な評価法の開発を行い,弱い分子間力(vdW力)が生命系の揺らぎにともなう機能発現に果たす役割を明らかにする研究を進めています.

金属錯体型自己組織化の機構解明

 HPBに金属イオンに配位する官能基を導入することで,金属イオンと錯体形成をする新たな配位子が合成できます.我々の研究室では,HPBに3つの3-ピリジル基を導入したディスク状の三座配位子が2価遷移金属イオンと錯体形成し,6つの金属イオン(M)と8つの三座配位子(L)からなるM6L8組成の金属錯体型超分子の形成に成功しています.この分子の大きさは約3 nmで八面体の全ての面を三座配位子が覆ったカプセル状の構造を形成しています.

 金属錯体型自己集合体の形成は約20年前から活発に研究が進められ,これまでに世界中の研究者が様々な構造の合成を報告しています.これらの構造の多くは熱力学的に安定な種として形成することから,生成する理由については安定性から議論できますが,その構造体がどのようにしてでき上がるのか?というメカニズム,すなわち”自己組織化ダイナミクス”について,実験的に明らかにしようとする研究はありませんでした.我々の研究室では,金属錯体型自己組織化体の形成のダイナミクスを実験的に追跡する手法を独自に開発し,はじめて溶液中で分子集団が一義構造へ収束していく様を調べることに成功しました.

大学院生,外研生の募集

 平岡研究室では有機化学に軸足を置き,研究を行っています.研究テーマにより,錯体化学やいろいろな知識が必要になることが有りますが,新規な有機分子のデザイン・合成が研究の出発点になります.有機反応機構を考えたり合成ルートを考えることが好きな人や有機合成が好きだが,それがゴールでは物足りないという人歓迎します

 また,研究もレクリエーションも良い切り替えで真剣かつ楽しく取り組むことをモットーに活動しています.

 これまでの研究成果はResearchをレクリエーション活動はFacebook pageをご覧下さい.

 これまで他大学から平岡研究室に加わったメンバーの出身先は東京理科大学,神戸大学,名古屋大学,国際基督教大学で,もとの研究分野も有機合成化学,高分子化学,錯体化学と様々です.

 真剣に研究室の行き先を検討している方は,「大学院進学先・研究室配属先・外研受け入れ先として平岡研究室を考えている方へ」をご一読下さい.

©2010 The Hiraoka Group. All Rights Reserved.

H

多環芳香族分子の合成化学と自己組織化の科学

東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 平岡研究室(機能超分子化学研究室)

Home

Research

Member

Publications

Seminars

Presentations

Links

Photos

About

Awards